【特集 Sep2007】計算科目の達人になるために 前編
論文式試験が終わって早1ヶ月。裏を返せば、08年の論文式試験まで、あと11ヶ月を切ったということでもある。来年の合格を目指す受験生の皆さんの中には、一発合格を目指して希望に燃えて勉強に望む方や、リベンジを期して今はやる気を蓄えるべくマイペースな学習に取り組む方もいらっしゃるだろう。
9月の(といいつつ、10月になってしまったが)mao特集は、08年の合格を目指すうえで、誰もが攻略しなければならない計算科目の攻略法の考察を試みた。
なお、計算科目、というと、主に以下のものが該当することと思う。「会計学/財務会計論の簿記分野」「会計学/管理会計論の計算問題」「租税法」「経済学」である。今回の特集では、選択科目である経済学は一応除外し、簿記・管理・租税の3つを取り扱うこととしている。前編と銘打った今月の特集は「簿記」「管理」の2科目について取り扱う。
簿記・管理会計論の3ステップ
著者が考える「簿記」「管理」のレベルは、大きく以下の3つになる。
レベル1 日商1級未満レベル
日商1級を計算科目マスターの中間ステップと位置づけている人も多いだろう。現に、日商1級取得コースを会計士試験対策のカリキュラムに組み込んでいる学校もある。それくらい、日商1級は会計士試験合格のために必要な計算力を養成する「入門編」として最適な資格ということができよう。レベル1というのは、その「入門編」をマスターできるまで、の状態を指す。
このとき気をつけてほしいのは、「日商1級に合格した」という事実が必ずしもレベル1をクリアしたということにはならない、ということである。日商1級は試験範囲に比較して問題量が少ないため、出題頻度が高い単元を集中的に演習することによって合格できてしまうことが多い。レベル1のクリアに必要なのは、そのような「山を張った」状態での合格ではなく、万全の状態で日商1級に合格できるくらいの実力である。
そのようなレベルに達していない人が、無理やりに会計士講座の答練を時間を計って解き続けたところで、効果は知れたものである。その前に、テキストをじっくり理解することや、答練を長時間かけてしっかり解いて、解法を理解するといったような「腰を落ち着けた」勉強の仕方が必要。
実は上級生でもこのレベルの人は多い。全分野、とまでは行かなくても、苦手な単元についてはレベル1のつもりで復習する姿勢が大事ではないか、と思う。
レベル2 日商1級以上、会計士試験合格未満レベル
日商1級と会計士試験の差、それは「時間」の差であるといっても良い。事実、試験範囲自体には大きな差はなく、子会社が親会社株式を保有しているケースなど、若干複雑な部分を除けば日商1級の知識は十分会計士試験に流用できるものである。しかし、ただ知識を持っているのみでは合格にたどり着くことはできない。
レベル1をクリアした人が、レベル2の段階で身につけるべきなのは、「スピード」と「精度」である。下書き用紙の使い方を吟味したり、解きやすいボックス図を作ってみたり、試行錯誤的な学習が必要とされる時期でもある。もっとも、会計士講座の講義や答練解説においてある程度の解法の伝授は行われるので、試行錯誤的な学習はそこそこにして、後は反復によるスピードアップをひたすら図る必要がある。
レベル3 会計士試験合格レベル
合格するために通常必要なレベルである。必要な範囲の解法が頭に入っていて、若干のケアレスミスが混じることはあるが、相当程度の精度で時間内に問題を解ききる力が、すべての範囲において万遍なく身についていれば、レベル3である。出題に恵まれればレベル2の受験生でも合格することはあるが、会計士として恥ずかしくないレベルと呼ぶには、やはりレベル2ではおぼつかないのが実際のところだ。
上級生など、計算科目が得意な方の中には、合格を待たずしてすでにレベル3に属している方も中にはいる。このような方については、実力の維持を図るために答練を適宜復習すれば十分であり、むしろ苦手科目に時間を割くべく、計算科目の学習は必要最低限にとどめるべきである。
いかがだろうか。
中には「簿記はレベル2、管理はレベル3」といった波のある結果になる人もいると思う。そういう方は科目ごとに学習スタイルをしっかりと区別する必要があるということだ。
自分はどのレベルに属するか、まずは分析すること。そしてその上で、自分にあった学習を行うこと。それが合格への近道である。あせらずたゆまず。
- 投稿者:まーやん
- 日時:09:22