【特集 May 2007】 短答式試験マルハダカ 後編

迫る!短答式試験  ~合格を勝ち取るために~
短答式試験1日目が、とうとう近づいてきた。
「もはや不安はない」というほどの実力者もいれば、「あともうちょっとで合格ラインだと思うんだけど…」という初学者の方もいよう。15,000人近くの受験生が凌ぎを削りあう試験は、もう目の前である。
このような直前の時期だからこそ、最後の追い込みを怠って今までの努力が水泡に帰すような事態だけは避けなければならない。

mao特集第2弾「短答式試験マルハダカ」では、前回に引き続き短答式試験の分析、そして対策の考察を行っている。新試験制度に変わって2度目の試験であり、不確実な部分は多いが、それでも読者の皆さんの参考になれば、幸いだ。

テーマ1 あと3週間…何をすれば良いのか?ゴールデンウィークが終わったこの時期。過ごし方に最も悩むのが、初学者であろう。今まで必死にカリキュラムにくらいついてハイペースを維持していたが、講義や答練が途切れ、ただただ自習時間だけが続くこの時期は、実は物凄く差がつきやすい時期なのである。

この特集をアップした時点で、既に短答式試験まで3週間となっている。今まで積み重ねてきた時間を思えば、一瞬ともいえるほど、残り時間は少ない。しかし、3週間もあれば、大抵の受験生にとって合否を覆すことは可能である(実力者が涙を飲むこともありうる、ということでもあるが)。よくある「コップの中の水」のたとえ話ではないが、残り時間は「3週間もある」のだから、この残り時間をフル活用することに、意識を集中することが必要である。

しかし、単純に「意識」だけを集中しても、残念ながら得点力アップにはつながらない。残り3週間で何をすべきか、まーやんが考える必須3ステップをここに紹介する。

ステップ1 まずは「棚卸」

前回の特集で「難問の正答を増やすより、易問の誤答を減らせ」と書いた。残り3週間でやるべきことも、まさにこれ。苦手分野の克服に尽きる。その前に、短答式試験各科目の出題範囲のうち、自分の苦手分野を漏れなく把握する必要がある。そのために実施するのが、「棚卸」である。

ちょうど、会社が棚卸資産をひとつひとつ数えて在庫状況を把握するのと同じように、試験範囲(自分が身につけなければならない範囲)と理解の状況(今のところ自分が身につけている範囲)を把握する必要があるのである。

テキスト・答練等を一通りめくってみて(あるいは目次を順番に見ていくだけでも良い)、自分が「要復習」だと感じた部分に残らず印や付箋をつけていく。この作業を一度やっておけば、復習の作業は驚くほど省力化される。そうでなくても、自分の学習の進捗状況をキッチリと把握するという作業は、メンタル面が浮動しやすいこの時期においては、気持ちを安定させる格好の手段でもある。上級者の方も是非お試しいただきたい。

ステップ2 とにかく穴をつぶせ

ステップ1の作業は、全科目を通してもせいぜい3時間程度で終わるのではないかと思われる。その結果を経て、テキスト等についている付箋や印の部分だけをとにかくつぶしていくのが、ステップ2である。

穴をつぶすという作業は、想像以上に負担のかかる作業である。そもそも苦手な分野というのは自分でも苦手であることが分かっていて(それゆえに手付かずのまま直前期を迎えていることが多い)、敢えてそれと向き合わなければならない。ただし、当然のことながら、苦手分野をつぶすという作業を乗り越えなければ合格は難しい。「試験が終わる前に」苦手分野をつぶすのか、「試験のあと、来年の試験のために」苦手分野をつぶすのか。選ぶべき選択肢は自明である。

おそらく、穴がちゃんとつぶれるまで3~4回転を要する分野もあることと思うが、ステップ1で認識された穴の部分だけを集中的に学習するのだから、当然効果は大きい。これが最短距離であると肝に銘じて、頑張ってほしい。

ステップ3 仕上げ

穴をつぶしきれた段階で、本試験まで残り何日かは人それぞれであろう。実力者であれば、ステップ2は3日とかからずにつぶせるかもしれない。ともかく、穴がなくなって満遍なく理解が行き届いた時点で、仕上げに入ろう。

計算分野については、常連分野(簿記の商品売買・連結・固定資産や管理会計の総合原価計算・標準原価計算の差異分析・設備投資の経済性計算など)をしっかりと復習しておくことだ。「できて当たり前」とも言えるこれらの分野が、本試験ではちょっとしたところで手が止まって「こんなはずではないのに… 」とパニックを惹き起こす原因になりかねないのである。念には念を入れて、基本分野の再確認をしておこう。

理論分野については、短答答練の復習よりも、むしろ法規集や問題集の復習が望ましい。単元ごとに問題が密集していたほうが仕上げの段階では効果的だからである。問題集を持っていない、という方は、短答答練を復習する都度法規集に戻って基準本文を確認するなどの工夫をして補完すれば良いだろう。

このステップ1~3をしっかりと踏んで学習すれば、おそらく3週間で2~3問は多く正解できるようになるだろう。ボーダー付近で伸び悩んでいる受験生は特にステップ2を重点的に行うことで苦手を克服し、実力者はステップ3により「いつでも来い」という精神状態を築き上げよう。



結論:以下の3ステップで、2問は獲れる。
・ステップ1 まずは「棚卸」
・ステップ2 とにかく穴をつぶせ
・ステップ3 仕上げ

テーマ2 短答当日・短答直後はこう過ごせ

日ごろより地道な努力を続け、かつ直前期も上記3ステップを踏まえて学習できた受験生にとっては、短答式試験はさほど恐れるに足りない存在になっているかもしれない。しかし、ここで気を緩めてはいけない。今までどんなに頑張ってきたとしても、短答式の2日間のうち、いずれか1日でも大きなミスをしてしまったら…。気をつけて気をつけすぎるということはない。

当たり前のようなことをここで書かせていただくが、どうか鼻で笑ったりせずに目を通しておいて欲しい。皆さんのせっかくの努力をフイにしないために。

短答当日の注意事項

絶対にしてはいけないのが、「忘れ物」「遅刻」の2つである。忘れ物につい ては、受験票や時計、筆記用具はもちろんのこと、試験会場で最後に目を通す 教材も吟味の上しっかりと携行すること。また、交通機関は事前に念入りにチ ェックをし、時間に余裕を見て家を出るようにして欲しい。ちょっとした信号 トラブル程度の交通遅延では、遅刻が免責されることは考えにくい。万一の場 合に備えて、タクシー代も用意しておくといいだろう。また、試験会場に行っ た事がなく、土地勘もないという方は、是非どこかで時間を作って一度下見を しておくことをオススメする。

当日目を通す教材を万端に準備し、下見も済ませ、交通機関も抜かりなく調べ た上で家を出たにもかかわらず、試験会場の自分に席についたときに筆記用具 を持っていないことに気づいてしまった…という例も事実、ある。そんな事態 に陥っても、誰も助けてはくれない。消費者金融のCMではないが、事前にしっ かりとチェックをしよう。

短答直後の注意事項

ぜひともやっていただきたいのが、自己採点。単に「何点とれたか」だけでは なく、どのような問題で間違えてしまったのか、ということを含めてしっかり と反省し、続く論文式試験に向けての教示にして欲しい。

中には今年はとりあえず短答式試験合格が目標、と考えている人もいらっしゃ るだろうが、それでも自己採点は怠るべきではないとまーやんは考える。短答 ・論文の違いはあるが、基本的に本試験の体験を経て教訓を得る機会は、この 短答式試験をおいてほかにないのである。自分がしてしまった思いがけないミ スや、分かったつもりになっていた論点など、しっかりと洗い出すようにして いただきたい。

多くの受験生にとって、短答式試験は何らかの教訓を残してくれるはずである 。自己採点を単なる合否の占いのように扱うのではなく、しっかりと反省材料 として用いることによって、短答式試験直後に往々にして生じやすい「燃え尽 き症候群」を防ぐこともできる。皆さんが目指すのは、あくまで論文式試験の 全科目合格ではないか。ここで立ち止まらず、次のステップへと歩みを進める ことを考えよう。

なお、maoでは短答式試験終了後に自己採点結果を集計し、mao独自の予想ボー ダーラインを発表する予定である。今年は合格者数自体に不確実性が高い年で あるため、「上位2,000名ライン」「上位3,000名ライン」「上位5,000名ライン 」の3段階ラインを発表しようと思う。ビジターの皆さんのご参加をお待ちする 。

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